■FACTOR:03


「電脳暦」と呼ばれる時代。そこでは、近代国家の枠組みは雲散霧消しネットワークの接続と断絶によって成立する実体を持たない「企業国家」という形態が生まれていた。

自らの可能性の限界に屈した人類は、戦争放棄という建前とは裏腹に、限定戦争という危険な玩具を生み出した。
それは商業化された戦闘興行で、電脳暦VCa0年代以降は、特にVR(バーチャロイド)と呼ばれる巨大人型戦闘兵器による大規模なものが人気を博するようになっていた。

人々は、モニター越しの戦争を眺めては、ガジェットと化したプロパガンダや理念を謳い、スキャンダラスな扇動に打ち興じ、あるいは単に破壊と殺戮への渇きを癒すのだった。




Vca0年 月にて「オペレーション・ムーンゲート(O.M.G.)」発動
Vca4年 地球圏全域で一大戦争興業「オラトリオ・タングラム」開闢。
そして、その戦乱はいまだ地球圏で継続している。

Vca8年 火星全域にて「火星戦線」と呼ばれる大規模な戦闘興業展開中。
テラフォーミング事業の頓挫した火星で行なわれる戦闘興業は、周囲への影響を省みないため地球圏内での戦闘興業よりも過激に展開されている。

Vca8年

木星圏において、巨大プラントTSCを中心に編成された打撃艦隊「フォース」が、「アジム・ゲラン実体化阻止作戦」を実施。後に言う「木星継承戦争」へと発展。

同年、打撃艦隊「フォース」は円滑な戦力移動を可能にするため大艦隊を編成。地球圏、火星圏、木星圏に渡って戦力を展開。



主権国家が消失し、企業国家の台頭が始まった電脳暦(VC)と呼ばれる時代。
巨大企業国家DN社は、月面で「ムーンゲート」と呼ばれる非人類起源の遺跡を発見した。

遺跡調査の過程で獲得されたオーバーテクノロジーによって、巨大人型戦闘兵器「バーチャロイド(VR)」が生み出される。

DN社は、限定戦争に供する商品兵器としてVRを売り出すことで、兵器市場におけるシェアを拡大しようと企図するが、Vca0年0時0分「ムーンゲート」の突然の覚醒に伴って地球圏は未曾有の危機へと追い込まれ計画は破綻した。
その後ムーンゲートの鎮静を目的としてVRを投入した軍事作戦「オペレーション・ムーンゲート(OMG)」が発動される。

出典:電脳戦機バーチャロン





「ムーンゲート」の覚醒は人為的なものだった。
未完成の時空因果律制御機構「タングラム」の無理な起動は予想外の混乱を地球圏に巻き起こす。この事実を隠蔽するための茶番劇こそO.M.G.だったのだ。
DN社の権威は失墜し、企業国家として事実上瓦解。かわって、第8プラント「フレッシュリフォー」が台頭する。

Vca2年、唯一VRを保有する軍事組織だったDNAに対抗するように、同じく、VRを主戦力とするRNAが勃興する。

Vca4年、DN社瓦解後の覇権をめぐって未だ混迷する地球圏において、特に「タングラム」の使用権を巡る騒乱がクローズアップされるようになった。
状況は、傘下に「DNA」を擁するフレッシュリフォー(リリン・プラジナー)と「RNA」擁するTSC(アンベルIV)という二大陣営の対立の構図をとるようになり、やがて地球圏全域を巻きこむ一大戦役として「オラトリオ・タングラム」が開闢する。

出典:電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム






新たな限定戦争市場として火星が脚光を浴びるようになり、地球圏における覇権争いからスピンアウトしてビジネスチャンスをうかがう企業国家「アダックス」が主体となって「火星戦線」が形成された。

熾烈を極める火星戦線は、そのままであれば惑星型コロシアムとしてのみ人々の記憶に残るはずだったが、マーズクリスタルの発見がすべてを変える。
活性レベルが閾値を越えたマーズ・クリスタルは、木星圏に散在するクリスタル群に影響し、Vca8年、これらが共振することによって生成されたゲート・フィールドから異界の破壊者アジムとゲランの侵入が確認された。

火星戦線のイニシアチブ、木星圏の利権争い、そしてアジム等の戦闘結晶構造体の撃退等、一連の抗争は互いに絡み合い、混迷の度合いを深めていく。
後に「木星継承戦争」と呼ばれるようになったこれらの騒乱は、やがて打撃艦隊「フォース」の木星進駐へと発展し、人類の命運を決する一大転機となった。

出典:電脳戦機バーチャロン フォース




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